出会い

曇って雨は降っていませんが、
明日くらいまではぐずついた天気のようで、
その後あるいは梅雨明けとなるのかどうか、です。
梅雨明け宣言した途端に雨が降るというのも結構あります。
しかしこのところの大雨は一日で一ヶ月分の雨量が降ったそうなので、
もう水不足の心配はないでしょう。

最近読んだ小説は二つとも女性作家によるものですが、
文章のタッチが新鮮でスッキリとしています。

柚月裕子さんは、みちのくのご出身だそうですが、
同じく東北在住の池上冬樹による「小説家になろう講座」
を受講して小説家になるきっかけを得たそうです。

「盤上の向日葵」にしても「慈雨」にしても
作者の懐にある感受性の豊かさがひしひしと伝わってくるのは、
やはり文章力なのだと思いますが、
江戸時代で言えば寺子屋にあたるであろう
講座との出会いによって開花した能力は相当なものです。

一方、遠田潤子さんは関西大学文学部のご出身ですが
これまた主婦業の傍らで日本ファンタジーノベル大賞を受賞し
デビューしました。

「冬雷」を読んで一気にファンになってしまったのですが、
事件を含め恋愛、推理その他多くの要素を盛り込んで集約し
しかもロマンティズムまで、にもかかわらず
すべてのバランスが絶妙に交叉し均整のとれた美しさを放っています。

神の与えた才能に人間の研磨が加わると
何が開花するか分かりませんが
突拍子もなく素晴らしいものが生まれるから不思議です。

EducationのEdは「引き出す」意味の接頭辞ですが、
まさに教育とは能力を引き出す事なのでしょう。
それを可能とするのは人との出会いであり繋がりと思います。