人生に於ける歩み

身近で起こっている事
急に近頃は涼しくなりました。秋の気配を感じております。これからは台風のシーズンですが、鹿児島にはまだ一度も近づいて来ません。関東地方は大変だったようで洪水で多くの家が流されました。
昨日は新潟で震度６クラスの地震がありこちらでも驚いております。
岩手の三陸沖には北朝鮮からの弾道ミサイルが着弾しました。報道によれば最初は日本海に落ちたとの事でしたが、実際は太平洋でした。目標を過ったとの見かたもあるようですが、実際は東京あたりをねらったのかどうか？不可解な話です。北朝鮮のミサイルについては３年くらい前から取り沙汰されていたのですが、実際に発射されたのは今回が初めてでした。あまり平和平和と言って浮かれてはおれなくなりました。

詩篇第23篇
先日は芦屋での集会があり、詩篇の23篇を読みましたが、そこに書いてある事が今の時代の予言でもある事を痛感させられます。

主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。
主はわたしを青草の原に休ませ／憩いの水のほとりに伴い
魂を生き返らせてくださる。主は御名にふさわしく／わたしを正しい道に導かれる。
死の陰の谷を行くときも／わたしは災いを恐れない。あなたがわたしと共にいてくださる。あなたの鞭、あなたの杖／それがわたしを力づける。
わたしを苦しめる者を前にしても／あなたはわたしに食卓を整えてくださる。わたしの頭に香油を注ぎ／わたしの杯を溢れさせてくださる。
命のある限り／恵みと慈しみはいつもわたしを追う。主の家にわたしは帰り／生涯、そこにとどまるであろう。

この詩は一般の教会では良く読まれる個所でして、特に告別式や埋葬式の時に読まれる様です。私はそのような式典で読んだ事はありません。というのもこの詩は来世の話をしているのではなく、現世の事を今の時代を予言したものだからだと思うからです。
つまり「死の陰の谷を行くときも」との意味は来世ではなく現世の事です。
もしこれが次の世の事であるなら、我々は天国に行かない事になります。天国には死の陰の谷はありませんから。聖書の黙示録には天国には死もなく嘆きもなく悲しみもないと書かれています。死がなければ死の陰もありません。
黄泉にはそれがあります。我々救われたものは黄泉には行かないのであります。ですから告別式の時にここを朗読するのは場違いだと思うのです。

死の陰の谷間
では、この死の陰の谷が意味するところは何でしょうか。
今日我々の人生を取り巻く環境がまさしくそれであります。脅かさないでくれと言われそうですが、実際にそうです。
ここ1週間以内に身近で起こっている事の災いを上げれば相当あります。冒頭にも書いた様な事。地震。洪水。ミサイル。酷暑。今年の酷暑で日本周辺の海域の珊瑚が白骨化しております。更には毒入りカレー事件。今日の新聞では毒入り缶ウーロン茶事件。東日本は8月になっても露の明けない日々で、数年ぶりの米の不作。いわゆる飢饉。大阪だけでも会社の倒産が50件以上もある毎日。

人災に於けるサタンの働き
これらが気がついてもつかなくても我々の身近で起こっているのであります。
例えば毒入りカレー事件は和歌山で発生しました。その時和歌山教会では恒例の大聖会が開催されておりました。事件の現場はその教会から目と鼻の先で起こりました。教会でもその日に夕食の献立がカレーだったと聞いております。信者さんの中にも自分の自治会の会長が死んだと言うので急いで帰った人もいたようです。

最初無差別殺人などと言われましたが、どうも明らかになりつつある事は保険金疑惑であります。事件は急展開を迎えつつあるわけですが、死んだ4人の人々は一体何だったのか？
私がここでこんな事を言う立場にありませんが、言いたい事は我々は世の中で生きている限り死の陰の谷を歩んでいる事に間違いはなさそうです。
もし神様の助けがあれば4人は死んでいなかったでしょう。なぜならこれは警察の方にも間違いがあったからです。その間違いと死とが直接結びつくかどうかは霧の中に埋もれてしまいましたが、どうも結びつきそうだと推察されます。

人を慌てさせるのはサタンの常套手段
それは当初警察の検査結果毒は青酸であるとの事でした。当然それを受けて病院は中和剤を投与したはずです。その後患者は様態が悪化して翌日までに死にました。しかしその後警察は青酸中毒ではなくひ素中毒であったと訂正をしております。そうなると治療法も代わって来ます。早い話がひ素中毒の患者に青酸中毒の中和剤を投与すれば心臓に負担が来て死に至る危険性が大きいのです。

となれば、この事件で命を失った人々は直接毒によってではなくて、人為的なミスによってとなります。実際ニュースで流れた映像では患者が歩いて病院の玄関へと向かっていました。青酸中毒では起こり得ない光景です。毒の判定試験は20分もかからない簡単なものです。どこかで誰かが感づいてちょっとした事で死を免れた可能性もありました。まさしく死の陰の谷を歩んでいるとはこの事です。来世の話ではなくて現世での話です。

ところが聖書は何と書いてあるのでしょうか。
「わたしは災いを恐れない。あなたがわたしと共にいてくださる」とあります。
私たちはここからが世の中の人と全く違っております。災いを恐れないのであります。なぜか。その秘訣は私たちの目がそれらの迫り来る災いに向けられていないからです。
ではどこに向けられているのか。それは神様の約束です。祝福です。私たちに神様が与えて下さっている霊のもろもろの祝福であります。

霊の諸々の祝福

霊の祝福は極めて大きな力
私たちの救われた時に受けた祝福とは大変なものです。言ってみれば、この世の中を生きて行くために必要とされるすべてのものはこの祝福の中に備えられているのです。
すでに備えられているとすれば、我々はその事を知る事によって災いも恐れません。それを知らないから恐れが来るのであります。
私たちの目が悪魔の業に向けられているのではなくて、神様の与えた祝福に留まっているならば、たとえ死の陰の谷を歩んでも災いは恐れなくて良いのです。これが秘訣です。

ただしこの祝福は「霊の諸々の祝福」と書かれていて文字どおり霊の世界に置かれているのであります。霊の世界は目で見えません。しかし信仰を用いる事でその目に見えない祝福を目で見える形に実現出来るのです。

事故からの復帰
以前教会のある牧師先生が道の歩道を歩いているときに突然後ろからスピードを出した車がぶつかって来ました。普通であれば即死の大事故です。病院に運ばれた時も危篤状態で助かる見込みはほとんどありませんでした。連絡を受けた時私も唖然としてしまいました。ただ歩道を歩いていただけで、突然に災いは襲って来ました。
ところがそれから半年の間に全く癒されて今も元気に活動しておられます。神様の業が顕されました。これはその先生に与えられている霊の祝福の結果であります。神様のお約束であります。病の癒しは霊の祝福の一部であります。
頭蓋骨も陥没していましたから、そのかけらは厳重に消毒して保管しております。その先生は元気になりましたから医者に早く自分の頭蓋骨を返してくれと文句を言ったようですが、実際医学的になかなか簡単には行かないようです。
1年ほどして元気になってからその後の様子をうかがいましたが、彼いわく頭をぶつけてから返って調子が良くなったというのです。もちろん後遺症も何もありません。全く癒されてむしろ調子が良くなったのです。実際にその口からそんな話を聞くと驚嘆致します。神様は素晴らしいとただそれだけであります。

祈りが応えられる秘訣
霊の祝福の一つは祈りであります。私たちには神と交わる超自然の方法である異言の祈りが与えられております。これこそ霊の祝福の最たるものです。
祈りをするときの重要事項が一つあります。それは許す事です。

また、立って祈るとき、だれかに対して何か恨みに思うことがあれば、赦してあげなさい。そうすれば、あなたがたの天の父も、あなたがたの過ちを赦してくださる。もし赦さないなら、あなたがたの天の父も、あなたがたの過ちをお赦しにならない。
マルコ伝11:25-26

もし祈りが聞かれたいと願うならば、我々に過ちをおかした人を許さねばなりません。
神様は恵みの神であり、その神の位にまで我々の祈りを届かせようとすれば、人を許さない心は祈りを妨げます。
言い方を換えると、人を許さない心では祈りは働かないのであります。
他人の心の中にある事が私の邪魔をする事はありません。
しかし他人に対して自分が根に持っている事が自分の邪魔をするのです。これは祈りの生涯を霊の生涯を破滅させます。あげくに信仰を損なわせ台無しにし、信仰の破船をたどらせます。

「わたしを苦しめる者を前にしても／あなたはわたしに食卓を整えてくださる。わたしの頭に香油を注ぎ／わたしの杯を溢れさせてくださる」

サタンの面前にて
悪魔の目の前で主イエス様は私達と共におられます。
疑いと不信感、絶望で我々を苦しめようとしている敵の目前で我々は主と共に食卓につき勝利と救いを賜るのです。たとえどんな逆境にあろうとも、主を信頼して歩む事が出来るのです。

1998年9月5日安息日礼拝メッセージ