Cipresso of our church members

今でも振り向いてくれるSL蒸気機関車の汽笛

英国人の聴覚

窓を開けると霧島山からの涼しい風が流れ込んで来ます。
除湿機は完全に止まった状態で、湿度は40%台。
夏が若干残っていて秋も本格的に来てはいない今を、勝手に夏秋とよんでます。

昨日は客人との歓談の中で、音響の話になりスピーカーについて問われました。
その方が今のKEF(英国製)に至るまでの遍歴も伺いました。
日本人は味覚が発達していると言われ、英国人は聴覚が発達していると言われます。

それでなのかどうか、音楽家は英国製のスピーカー愛好者が多いようです。
ところがその方もそれを気に入っていたのに、ある時旧式のスピーカー音に魅せられてしまったと。
幸か不幸か、こういう経験をしてしまう事があります。

スピーカー以外でもこういう話はよくあるわけです。
例えば一冊の本にしても、手元にある200年前の聖書には、その装丁にさえ価値を見出してしまいます。
これはイタリア職人の手によるものですが。

書籍にしてもスピーカーにしても、今製造されている物はすぐに購入出来ますが、
昔の物は多くが人の手で造られているので、今は入手困難です。
それを作れる職人さんが少なくなっているからで、すでに技術者皆無の分野もあります。

職人世界に於ける伝授

その英国メーカーのスピーカー制作技術が失われる事を危惧したある日本のメーカーが
日本人職人を渡英させ、数年に渡る修業の後に帰国させ、その後日本製の英国メーカー品として販売しました。
吉祥寺のあるお店で使用しているというので、聴きに行った事があります。

外観は全く同じです。さすが日本の職人技術なのか、全く外からは見分けがつきません。
しかしそこから出てくる音は似て非なる、全く聴けたものではありませんでした。
技術というのはわずか数年の修業期間で伝授出来るものではないのを痛感しました。

たぶん大袈裟でもなく、中世など千年単位の歴史の中で培われた芸術と技術の融合は、
一旦失われると再び取り戻すのに千年かかるということなのでしょう。
たしかに現代のデジタル社会は便利この上ないのですが、どうしてもデジタル音源には辟易してしまいます。

だからこそ今は昔の音に価値を見出すのでしょうが、
なにせ心に響く音はそう簡単に振り向いてはくれません。
諦めてSL蒸気機関車の録音を部屋で聴く人々の気持ちも分からんではありません。

参考書籍: 読書の秋、お暇つぶしにご一読お勧め
http://www.audiosharing.com/people/gomi/gomi.htm

By Shinichi Uema
Cipresso of our church members

ブログをメールで購読

Hallelujah
メールアドレスを記入すれば、更新をメールで受信できます。

101人の購読者に加わりましょう

アーカイブ

カテゴリー

タグ

投稿カレンダー

2025年4月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

最近の投稿